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openpi入門|pi0を動かす環境とインストール手順

2026-10-26 ・ 実践

#openpi#pi0#PhysicalIntelligence#基盤モデル#実践

openpiとは、ロボット基盤モデルの開発企業Physical Intelligenceが公開している、π0(pi0)・π0.5などのロボット向け基盤モデルを動かすためのオープンソースリポジトリです。Apache-2.0ライセンスで公開されていて、公開済みのチェックポイントをダウンロードして推論を試したり、自分のロボットのデータでファインチューニングしたりできます。LeRobotで模倣学習の基本を体験した次の一歩として、「もっと賢い基盤モデルを動かしたい」人向けの選択肢の一つです。

この記事で分かること

  • openpiは、Physical Intelligenceが公開するロボット基盤モデルπ0・π0-FAST・π0.5をまとめたオープンソースリポジトリ(Apache-2.0)
  • 推論だけならVRAM 8GB以上、LoRAファインチューニングは22.5GB以上、フルファインチューニングは70GB級のGPUが公式に案内されている
  • LeRobotにも同じπ0が`policy.type=pi0`として統合されており、まず試すだけならLeRobot経由のほうが手軽

対象読者:LeRobot・SmolVLAの次に、より大きなロボット基盤モデルを試したい学習者・エンジニア

執筆:ゆるふわフィジカルAI編集部 最終更新日:2026年10月26日

π0・π0-FAST・π0.5の違い

openpiが収録しているのは3つのモデルです。

モデル特徴
π0フローマッチング(拡散モデル系の手法)で連続的な動作を生成するVLA
π0-FASTFASTという行動のトークナイザを使う、自己回帰型のVLA
π0.5「知識の断熱(knowledge insulation)」という手法で学習したπ0の上位版。訓練時に見ていない環境への汎化を重視した設計1
💡

このリポジトリでの制限

openpiのREADMEでは、π0.5の学習・推論について「フローマッチングのヘッドのみサポート」と案内されています。π0・π0.5がそれぞれ何を得意とするかの背景はVLAモデル解説、GR00Tとの比較もあわせてどうぞ。

動かすのに必要なGPU

openpi公式READMEが案内するNVIDIA GPUの目安です。

👀

8GB〜

推論のみ(RTX 4090例)

🪄

22.5GB〜

LoRAファインチューニング

🏋️

70GB〜

フルファインチューニング(A100/H100)

⚠️

個人のPCではハードルが高い

フルファインチューニングはA100 80GBやH100級が前提で、個人の手元環境では現実的ではないことが多いです。まずは推論(8GB以上)から試し、本格的に鍛えたくなったらクラウドGPUを時間単位で借りるか、SmolVLAのような軽量モデルから始めるのも手です。複数GPUでメモリを分散するfsdp_devicesというオプションもありますが、複数マシンをまたぐ学習(マルチノード)はまだ非対応です。

まずLeRobotから試す

LeRobot入門でlerobotをインストール済みなら、実はopenpi本体を入れなくてもπ0を試せます。LeRobot側にπ0がpolicy.type=pi0として統合されているためです。

ターミナル
# Hugging Faceの公開チェックポイントからπ0をファインチューニングする例
lerobot-train \
  --policy.type=pi0 \
  --policy.path=lerobot/pi0_base \
  --dataset.repo_id=<自分のデータセット> \
  --batch_size=32
🌱

オプション名はバージョン依存

--policy.pathは--policy.pretrained_pathという名前になっている場合もあり、LeRobotのバージョンによってオプション名が変わることがあります。実行前にlerobot-train --helpで現在の環境の実際のオプション名を確認してください。

openpi本体を使う(高度な用途)

LIBEROベンチマーク用の評価コードなど、openpi独自のツール群を使いたい場合は、本体をクローンします。

ターミナル
# サブモジュール込みでクローン(LeRobotも依存として取得される)
git clone --recurse-submodules https://github.com/Physical-Intelligence/openpi.git
cd openpi
 
# uv(Pythonパッケージマネージャ)で依存関係を導入
GIT_LFS_SKIP_SMUDGE=1 uv sync
GIT_LFS_SKIP_SMUDGE=1 uv pip install -e .
💡

Docker・対応OS

Dockerでの導入手順もdocs/docker.mdに用意されています。公式にはUbuntu 22.04のみで動作確認されていると案内されているので、他のOSで試す場合は注意してください。

推論の最小構成は、公式READMEによるとこのような形です。

Python
from openpi.policies import policy_config
 
# config名とチェックポイントのパスを指定して読み込む
# (チェックポイントは gs://openpi-assets から ~/.cache/openpi へ自動ダウンロードされる)
policy = policy_config.create_trained_policy(config, checkpoint_dir)
 
# 観測(カメラ画像・関節角度など)を渡すと、次の動作が返る
action = policy.infer(example)["actions"]

configやexampleの具体的な作り方はタスクやロボットの構成によって変わるため、openpiのexamples/ディレクトリにあるタスク別のサンプル(LIBEROタスクの変換スクリプトなど)を参考にするのが確実です。

自分のロボットでファインチューニングする流れ

ファインチューニングの流れ

📼

データ収集

テレオペでLeRobot形式のデータを作る

→
📊

norm_statsを計算

compute_norm_stats.pyを実行

→
🎓

学習

train.pyでファインチューニング

openpiのファインチューニングは、LeRobot形式のデータセットを前提にしています。独自データを使う場合は、公式が用意しているLIBEROデータセットの変換スクリプト(examples/libero/convert_libero_data_to_lerobot.py)が、変換処理の書き方の参考になります。データ収集そのものの実務はテレオペとデータ収集入門、安価な実機を使うならSO-101組み立てガイドで解説しています。

まとめ

  • openpiは、Physical Intelligenceのロボット基盤モデルπ0・π0-FAST・π0.5を動かすためのオープンソース(Apache-2.0)
  • 推論は8GB以上、フルファインチューニングは70GB級のGPUが公式の目安
  • まず試すなら、LeRobotのpolicy.type=pi0から入るのが手軽。本格的な評価やLIBEROベンチマークを使うならopenpi本体をクローンする
  • ファインチューニングはLeRobot形式のデータが前提。データ収集→norm_stats計算→学習、の順で進める

よくある質問

Q. pi0は無料で使えますか?

A. openpiで公開されているπ0・π0-FAST・π0.5の重みとコードはApache-2.0ライセンスで、商用利用を含めて無料で使えます。ただし推論・学習に使うGPUの計算コストは自分持ちです。

Q. GPUがなくてもpi0を試せますか?

A. 推論だけでもVRAM 8GB以上のNVIDIA GPUが公式の目安で、GPUなしでの実行は想定されていません。手元にGPUがない場合は、クラウドGPUを時間単位で借りるか、まずはパラメータ数の少ないSmolVLAから試すのが現実的です。

Q. pi0とGR00T・SmolVLAはどう違いますか?

A. pi0はPhysical Intelligence、GR00TはNVIDIAが公開しているヒューマノイド・汎用ロボット向けの基盤モデルで、どちらも数十億パラメータ級です。SmolVLAは450Mパラメータと小さく、個人の消費者向けGPUで気軽にファインチューニングできるのが違いです。それぞれの特徴は関連記事で詳しく解説しています。

📚 もう少し詳しく(背景)気になる人向け・タップで開く

Physical Intelligenceは、ロボット向け基盤モデルの開発に特化したスタートアップです2。VLAモデル解説で触れたとおり、π0は「言葉で動くロボット」を目指すVLA(Vision-Language-Action)モデルの代表格の一つで、当初は重みの一部公開に留まっていましたが、openpiリポジトリを通じてπ0・π0-FAST・π0.5が段階的にオープンソース化されてきました。

学習ロードマップの順でLeRobot・SO-101まで進んだ人にとって、openpiは「既存の基盤モデルをどこまで自分のロボットに適応させられるか」を体験できる次のステップです。一方で要求されるGPUリソースはGR00Tと同様に重く、まずはLeRobot経由のpolicy.type=pi0やSmolVLAのような軽量な選択肢で手応えを確かめてから本格的に取り組むのが挫折しにくい進め方です。

次の一歩

GR00Tとの比較はIsaac GR00T入門、もっと軽く試したいならSmolVLA入門へどうぞ。

参考資料・出典

  • Physical-Intelligence/openpi (GitHub)公式リポジトリ。ライセンス(Apache-2.0)、π0/π0-FAST/π0.5の説明、GPU要件(推論8GB〜・LoRA 22.5GB〜・フル70GB〜)、インストール手順を記載
  • π0 (LeRobot Docs)LeRobot公式ドキュメント。policy.type=pi0での学習コマンド例を記載(検索結果の要約で確認。本文は未確認)

ゆるふわポータルでは、一次情報・公的資料にもとづき、専門用語をできるだけやさしく翻訳することを心がけています。内容に誤りや古い情報がある場合は、お問い合わせからご連絡ください。

執筆:ゆるふわフィジカルAI編集部 最終更新日:2026年10月26日

Footnotes

  1. openpi公式READMEによれば、π0.5は「knowledge insulation」という学習手法で、訓練時に見たことのない住宅環境などへの汎化(オープンワールド汎化)を重視して作られたπ0の上位版。このリポジトリでは学習・推論ともにフローマッチングのヘッドのみサポートされている。 ↩

  2. Physical Intelligenceはロボット基盤モデル専業のスタートアップ。資金調達や業界内の位置づけはロボットスタートアップ地図でも紹介している。 🌸 ↩

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