10.5兆円
フィジカルAI(特にAIロボット)への官民投資額の想定(2040年度まで)
3,873億円
基盤モデル開発事業(令和8年度当初・新規)
2026年3月26日
AIロボティクス戦略の策定日
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金額は「どの段階の数字か」で意味が変わります。概算要求は各省が財務省に出した希望額で、まだ決まっていません。当初予算は国会で成立した年度の予算、補正予算は年度の途中で追加された予算です。官民投資額の想定は、国と民間を合わせた今後の投資の見込みで、予算として確定した金額ではありません。このページでは、数字のそばに必ず段階を書いています。
いま動いている主な方針
人工知能基本計画(2026年7月14日・閣議決定)
国のAI政策の土台になる計画です。最初の計画は2025年12月23日に閣議決定され、2026年7月14日に新しい計画(副題「日本AX、より強く、より豊かに」)が決まりました。現場で使える領域特化型の「バーティカルAI」と、現実空間で価値を生む「フィジカルAI」に、AI戦略の重点を置くと明記しています。フィジカルAIの基盤モデルを国内で開発すること、モーター・減速機・センサ・蓄電池などの重要部品の設計を強化することも盛り込まれています。
AIロボティクス戦略(2026年3月26日・関係府省連絡会議)
AIとロボットを組み合わせた分野について、関係する省庁がまとめた戦略です。人工知能基本計画は、この戦略を踏まえて「フィジカルAIの事業や産業への先導導入を支援する」としています。
戦略17分野の官民投資ロードマップ(2026年7月21日・日本成長戦略本部決定)
国が重点を置く17分野の工程表です。「AI・半導体」分野の中で、フィジカルAI(特にAIロボット)は2040年度までで10.5兆円の官民投資が想定されています。同じ分野のバーティカルAIは23.1兆円、半導体は68.0兆円です。
国の体制とお金の全体像
AI政策は、人工知能戦略本部が方針を決め、内閣府が取りまとめています。政府全体のAI関連予算は、令和8年度が5,027億円で、令和7年度の1,969億円から大きく増えました。増えた分の中心が、フィジカルAIに向けた基盤モデルの開発です。
| 方針の柱 | 中身 | 令和8年度予算 |
|---|---|---|
| AIを創る(開発力の強化) | 基盤モデルの開発、計算基盤、通信基盤 | 4,559億円 |
| AIを使う(利活用の推進) | 農業・建設・防災・防衛などでの活用 | 438億円 |
| AIと協働する(社会の変革) | 人材の育成 | 19億円 |
| AIの信頼性を高める(ガバナンス) | 透明性や信頼性の研究、調査 | 11億円 |
省庁ごとの主な事業は次のとおりです。
| 省庁 | 主な事業 | 令和8年度予算 |
|---|---|---|
| 経済産業省 | AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデルの開発(新規) | 3,873億円 |
| 文部科学省 | 計算基盤(HPCI)の構築 | 約177億円 |
| 文部科学省 | 革新的なAI基盤技術の研究開発 | 約122億円 |
| 総務省 | 次世代情報通信基盤 Beyond 5G の研究開発 | 115億円 |
| 防衛省 | AIを活用した無人戦闘車両システムの研究 | 約68億円 |
| 防衛省 | AIを活用した意思決定迅速化の研究 | 約38億円 |
| 経済産業省 | 省エネAI半導体とシステムの技術開発 | 30億円 |
政府のAI関連予算の約8割を、経産省の基盤モデル開発事業1つが占めています。事業費の一部しかAIに関係しない施策は、この合計に含まれていません。
主な事業とお金の動き
| 事業 | 金額 | 段階 |
|---|---|---|
| AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業(新規) | 3,873億円 | 令和8年度 当初予算 |
| デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業 | 2.3億円 | 令和8年度 当初予算 |
| AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業 | 8,964億円 | 令和9年度 概算要求 |
| AIロボティクス戦略事業(新規) | 3,209億円 | 令和9年度 概算要求 |
| AIロボティクスの中核拠点構築事業(新規) | 1,333億円 | 令和9年度 概算要求 |
| 廃炉フィジカルAI関連研究開発事業(新規) | 470億円 | 令和9年度 概算要求 |
いずれも経済産業省の資料に載っている金額です。令和9年度(2027年度)の数字は概算要求の段階で、年末の予算編成で変わる可能性があります。
直近の決定
- 2025年12月23日 最初の人工知能基本計画を閣議決定
- 2026年3月26日 AIロボティクス戦略を策定(AIロボティクスに関する関係府省連絡会議)
- 2026年4月7日 経産省が令和8年度当初予算の概要を公表(基盤モデル開発事業 3,873億円を新規計上)
- 2026年7月14日 新しい人工知能基本計画を閣議決定。フィジカルAIを重点に位置づけ
- 2026年7月21日 日本成長戦略と、戦略17分野の官民投資ロードマップを決定
これから見るポイント
- 令和9年度予算の編成で、新規に要求された「AIロボティクス戦略事業」「中核拠点構築事業」がどこまで認められるか
- 国内でのフィジカルAI基盤モデル開発が、どの体制で進むか
- 官民投資ロードマップは、決定後も見直しを続けるとされています
読み手別のひとこと
- 学生の方へ:国が「重点」と明記した分野です。何から学べばよいかは学習ロードマップにまとめています。
- エンジニアの方へ:予算の中心は「ロボット基盤モデル」です。どんなモデルがあるかはロボット基盤モデル(VLA)とは?で整理しています。
- ビジネスの方へ:「予算」と「官民投資額(想定)」は別物です。後者は民間の投資見込みを含む数字です。市場の全体像はフィジカルAI市場規模まとめ2026をどうぞ。
ゆるふわフィジカルAI