
拡散モデル×ロボット|Diffusion Policyのしくみ
2026-08-29 ・ 実践
画像生成でおなじみの「拡散モデル」が、いまロボットの動きを作るのに使われています。**Diffusion Policy(拡散方策)**を見ていきましょう。
拡散モデルの発想
拡散モデルは「ノイズだらけの状態から、少しずつノイズを取り除いて、きれいな結果を作る」AI。画像なら「砂嵐→絵」。**ロボットなら「でたらめな動き→なめらかな動作の連なり」**を生成します。
なぜ動作生成に向く?
掴む・置くといった作業は「正解が一つではない」ことが多い(右から掴んでも左からでもOK)。拡散モデルは、こうした複数のありうる動きを自然に扱えるのが強みです。
System1 / System2 の役割分担
2026年の基盤モデルは、人の「速い直感」と「遅い熟考」に似た二段構えが主流です。
System2(考える)
- VLMが状況と指示を理解
- ゆっくり計画を立てる
- 「何をすべきか」
System1(動く)
- 拡散モデルが動作を生成
- リアルタイムでモーター指令
- 「どう動くか」
NVIDIAのGR00Tはこの構成の代表例。ゆっくり考える頭と、素早く動く体を組み合わせています。
2026年の最前線
GR00T N1
オープンな人型基盤モデル
RDT-1B
両手作業向け大規模拡散モデル(12億)
合成データ
シミュで大量の動作を学習
膨大な動作データ(実演+シミュの合成データ)で学ぶことで、初めての物や場面にも対応できる「器用さ」が育ってきています。
もう少し詳しく(背景と理論)
Diffusion Policy は Chi et al. (2023) が提案したロボット動作生成手法で1、画像生成で成功した拡散モデル(DDPM, Ho et al. 2020)2を「行動の系列を生成する」問題に応用したものです。ロボット操作のデモには「右から掴む/左から掴む」のように複数の正解があり(多峰性)、平均を取ると失敗するのが従来手法の弱点でした。拡散モデルは分布そのものを学習できるため、こうした多峰的な行動分布を自然に表現できます3。ノイズから徐々に行動系列を復元する反復生成のため推論はやや重く、実時間制御のための高速化(推論ステップ削減)が実装上の焦点になります。
つぎに読むなら
Footnotes
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Chi, C. et al. (2023). "Diffusion Policy: Visuomotor Policy Learning via Action Diffusion." RSS 2023. 行動系列を拡散モデルで生成し、模倣学習の性能を大きく改善した。 ↩
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Ho, J., Jain, A., Abbeel, P. (2020). "Denoising Diffusion Probabilistic Models." NeurIPS 2020. ノイズ除去を繰り返してデータを生成する拡散モデルの基礎。 ↩
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単純な回帰(平均二乗誤差)は多峰な正解の平均を学び失敗しがち。拡散モデルやエネルギーベースモデルは分布そのものを表現でき、複数の妥当な動作を扱える。 ↩
ゆるふわフィジカルAI