ロボット導入の最大の障壁は初期費用です。しかし日本には費用の1/2〜2/3を国が負担する制度があり、使うか使わないかで実質コストが大きく変わります。2026年時点の主要な制度を整理します。
主要3制度の早見表
| 制度 | 補助上限 | 補助率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 省力化投資補助金(カタログ型) | 最大1,500万円 | 1/2 | 登録済み製品から選ぶだけ。申請が簡単 |
| 省力化投資補助金(一般型) | 最大1億円 | 最大2/3 | オーダーメイド可。事業計画が必要 |
| ものづくり補助金 | 最大3,500万円 | 1/2〜2/3 | 新製品・新工程の開発向け |
迷ったらカタログ型から
カタログ型は「登録された製品リストから選ぶ」方式なので、事業計画書の負担が圧倒的に軽い。初めての補助金申請なら、まずここを検討するのが定石です。
省力化投資補助金 カタログ型の要点
人手不足に悩む中小企業が、既製品のロボット・IoT機器を導入するための制度です。
補助上限は従業員規模で変わります。
1,500万円
従業員21名以上の上限(賃上げ要件達成時)
1,000万円
6〜20名規模の目安
300万円
5名以下の上限
カタログに載っている製品しか選べないのが制約ですが、協働ロボット、AGV/AMR(無人搬送車)、検査装置など主要カテゴリは網羅されています。
一般型は「オーダーメイド」向け
カタログに合う製品がない、自社工程に合わせた特注システムを入れたい場合はこちら。最大1億円・補助率2/3と規模が大きい反面、事業計画書で「どれだけ省力化できるか」を数値で示す必要があります。
第6回公募が2026年6月に開始されるなど、年に複数回のチャンスがあります。
申請の流れ
申請から入金まで
準備
GビズID取得・計画策定
申請
電子申請(公募期間内)
導入
採択後に発注・導入
受給
実績報告後に入金
採択前の発注は絶対NG
最大の落とし穴です。採択される前に契約・発注すると補助対象外になります。「先に買って後から申請」はできません。スケジュールは必ず「申請→採択→発注」の順で組んでください。
もう一つの注意点は後払いであること。導入費用は一旦全額自己負担で支払い、実績報告後に補助金が振り込まれます。つなぎ資金の確保を忘れずに。
採択率を上げるポイント
- 数字で語る — 「効率化します」ではなく「1日3時間の作業を0.5時間に短縮、年間600時間削減」
- 人手不足の実態を示す — 求人を出しても採用できていない事実は説得力が高い
- 賃上げとセットにする — 省力化で生まれた余力を賃上げに回す計画は加点されやすい
- SIerと組む — 導入実績のあるSIerは申請書の書き方も熟知しています(SIerの選び方)
補助金ありきで考えない
大事な前提として、補助金が出るから導入する、は失敗のもとです。補助金は「やると決めた投資を軽くする」道具であって、目的ではありません。まずROI計算で、補助金なしでも回収できるかを検討し、その上で補助金で回収期間を縮める——この順序が健全です。
まとめ
- 主力は中小企業省力化投資補助金。カタログ型は申請が簡単、一般型は最大1億円
- ものづくり補助金は新製品・新工程開発向け
- 採択前の発注は対象外、かつ後払い。この2点が最大の落とし穴
- 採択のコツは数字で語ること。補助金ありきの導入検討はNG
次の一歩 🌸
投資判断そのものはROI計算方法へ。導入パートナー選びはロボットSIerの選び方をどうぞ。
※制度内容・金額・公募時期は変更されます。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
ゆるふわフィジカルAI