
ロボット安全規格2026|ISO 10218改訂で何が変わったか
2026-08-15 ・ ビジネス
ロボット導入で避けて通れないのが安全です。2025年2月に産業用ロボットの国際規格 ISO 10218 が大きく改訂され、2026年は実務が移行期にあります。要点を押さえておきましょう。
そもそもISO 10218とは
産業用ロボットの安全に関する国際規格で、2部構成です。
- ISO 10218-1 — ロボット本体(メーカー向け)
- ISO 10218-2 — ロボットシステム・導入(ユーザー・SIer向け)
導入する側が主に関わるのは**-2**ですが、今回の改訂は両方に及んでいます。
改訂ポイント1: 「協働ロボット」という言葉がなくなった
最も本質的な変更です。改訂版では「協働ロボット」「協働運転」という用語に代わり、「協働アプリケーション(collaborative application)」 という表現が採用されました。
旧: ロボットで判断
- 「これは協働ロボットです」
- 機種のカタログスペックで安全性を語る
- 買えば安全、という誤解を生む
新: 使い方で判断
- 「この使い方が協働です」
- 設置環境・作業内容込みで評価
- リスクアセスメントが必須に
「協働ロボットだから柵は不要」は通用しない
協働ロボットを買っても、先端に鋭利な工具を付けて高速で動かせば危険です。改訂版はこの当たり前を明文化しました。安全は機種ではなく**アプリケーション(使い方)**で決まります。
改訂ポイント2: クラス分類の導入
ロボットの最大能力に基づく Class I / Class II という区分が新設され、クラスと協働モードの組み合わせで安全要件が整理されました。能力の高いロボットほど厳しい要件が課される構造です。
改訂ポイント3: サイバーセキュリティ要件
産業用ロボットの安全規格にサイバーセキュリティが正式に組み込まれた初の改訂です。ネットワーク接続されたロボットが乗っ取られれば、それは物理的な危険に直結します。フィジカルAI時代らしい変更と言えます。
導入側の実務としては、ロボットを社内ネットワークにつなぐ際のセグメント分離、アクセス制御、ファームウェア更新方針を検討事項に加える必要があります。
日本のJISはどうなっている?
2026年時点で、ISO 10218:2025に追従するJIS改正の作業が進行中です。つまり移行期にあり、現行JIS(2015年版ベース)と最新ISO(2025年版)の両方を睨みながら実務を進める必要があります。
実務での落としどころ
新規導入なら最新ISOに沿った設計にしておくのが安全です。後からJISが追いつくため、先に厳しい方に合わせておけば手戻りがありません。
導入側がやるべきこと
安全確保の流れ
リスクアセスメント
危険源を洗い出す
対策を実施
柵・センサー・速度制限
記録を残す
文書化が法的にも重要
リスクアセスメントは義務です。労働安全衛生法でも、産業用ロボットの運転時には原則として柵・囲いの設置が求められ、例外的に協働作業を行う場合はリスクアセスメントの実施が前提となります。
対策の優先順位は「①本質安全(危険源をなくす)→ ②工学的対策(柵・センサー)→ ③管理的対策(手順書・教育)」の順です。手順書だけで済ませるのは最も弱い対策である点に注意してください。
教育も法定要件
産業用ロボットの教示・検査等の作業には、特別教育の受講が必要です(労働安全衛生規則)。導入計画には、この教育期間とコストも織り込んでおきましょう。
まとめ
- ISO 10218は2025年2月に改訂。「協働ロボット」→**「協働アプリケーション」**へ概念転換
- 安全は機種ではなく使い方で決まる。リスクアセスメントが必須
- Class I/IIのクラス分類、サイバーセキュリティ要件が新登場
- JISは移行期。新規導入は最新ISO準拠が安全
- 作業者への特別教育は法定要件
次の一歩 🌸
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※本記事は概要の解説です。実際の適用にあたっては規格原文および専門家・所轄労働基準監督署にご確認ください。
ゆるふわフィジカルAI