ネジを締める、コネクタを挿す、人と手を取り合う——どれも「力かげん」が命。ロボットにそれを与えるのが力覚・トルクセンサーです。
6つの成分を測る
代表的な6軸力覚センサーは、手首などに付けて「3方向の力(押す・引く・横)」と「3方向のトルク(ねじり)」を同時に測ります。これで「今どれくらいの力で、どの向きに触れているか」が分かります。
力 3軸
Fx・Fy・Fz
トルク 3軸
Mx・My・Mz
力制御
狙った力で押す
位置制御から力制御へ
ふつうのロボットは「この座標へ動け」という位置制御。でも、穴にピンを挿すような接触作業では、少しのズレで大きな力がかかり破損します。そこで「この力で押し続けろ」という**力制御(フォースコントロール)**に切り替えます。
はめ合いのコツ
人間は挿し込むとき、無意識に力を感じて微調整しています。ロボットも力覚で「引っかかり」を感じ、位置を少しずらして挿す——この協調が組み立て自動化のカギです。
協働ロボットの安全にも
人のとなりで働く協働ロボット(コボット)は、力覚で「何かにぶつかった」を検知して止まれます。安全と器用さの両方に効くセンサーです。
もう少し詳しく(背景と理論)
力覚(F/T)センサーは、多くがひずみゲージで微小変形を電気抵抗変化として検出し、6軸(力3+トルク3)を測ります1。力を測る目的は、位置ではなく「押し付ける力」を制御するためで、環境との接触を仮想的なバネ・ダンパとして扱うインピーダンス制御/アドミッタンス制御が理論的基盤です(Hogan, 1985)2。人と同じ空間で働く協働ロボットでは、接触力の上限が国際規格 ISO/TS 15066 で定量的に定められており3、力覚は安全と精密作業の両面で要になります。近年は指先の触覚(分布圧・すべり)を測る触覚センサーと組み合わせ、器用な操作を目指す研究が進んでいます。
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Footnotes
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6軸F/Tセンサーは弾性体に貼ったひずみゲージ群の出力を行列で力・トルクに変換する。静電容量式や光学式もある。 ↩
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Hogan, N. (1985). "Impedance Control: An Approach to Manipulation." J. Dynamic Systems, Measurement, and Control, 107(1). 位置ではなく「力と変位の関係(機械インピーダンス)」を制御する枠組み。 ↩
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ISO/TS 15066:2016 は協働ロボットの安全(パワー・力制限)を規定し、人体各部位への許容接触力・圧力の閾値を与える。力覚センサーはこの遵守に用いられる。 ↩
ゆるふわフィジカルAI