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ロボットのバッテリー駆動時間とは?|容量の計算とヒューマノイドの実例

2026-08-26 ・ 超入門

#バッテリー#電源#駆動時間#超入門

どんなに賢いロボットも、電池が切れれば動けません。意外と語られない「駆動時間」の話を、実際のヒューマノイドロボットの数字も交えてやさしく見ていきます。

この記事で分かること

  • 駆動時間は『バッテリー容量(Wh)÷ 消費電力(W)』で決まり、重い物を持つ・速く歩くなど電気を多く使う動きほど早く減ること
  • Figure 03は2.3kWhの電池で最大5時間、Unitree G1は約421Whの電池で約2時間と、機体によって駆動時間が大きく違うこと
  • 電池を増やせば長く動けるが重くなって消費も増える『重さと電力のトレードオフ』があり、全固体電池など新技術で打開が狙われていること

対象読者:ロボットのバッテリーや駆動時間について予備知識ゼロの方

執筆:ゆるふわフィジカルAI編集部 最終更新日:2026年10月4日

「容量 ÷ 消費電力」で決まる

走れる時間は、ざっくり バッテリー容量 ÷ 消費電力。スマホと同じで、たくさん電気を使う動き(重い物を持つ、速く歩く)ほど早く減ります。

🔋

容量(Wh)

ためられる電気の量

⚡

消費電力(W)

1秒あたりに使う量

⏱️

駆動時間

容量 ÷ 消費電力

実際のヒューマノイドで比べてみる

「容量と駆動時間」といってもピンと来にくいので、実在する2台のヒューマノイドロボットで比べてみましょう。

🏭

Figure 03(Figure AI)

  • バッテリー容量: 約2.3kWh(2,300Wh)
  • 駆動時間: 最大5時間(ピーク稼働時)
  • 前モデルF.01比でエネルギー密度94%向上
  • 工場での組立作業など『重い作業』向け
VS
🤸

Unitree G1(Unitree)

  • バッテリー容量: 約421Wh(9,000mAh・46.8V)
  • 駆動時間: 約2時間
  • 本体重量が軽く、クイックリリースで電池交換可能
  • 研究・開発・教育用途で広く使われる価格帯

同じ「ヒューマノイド」でも、何に使うロボットかによってバッテリー設計はまったく違います。Figure 03は工場で長時間の組立作業をこなすため大容量の電池を積み、Unitree G1は軽さと価格を優先して電池を小さめにしている、というイメージです。

💡

駆動時間は『条件次第』

カタログの駆動時間は、たいてい最も電気を使わない条件(立っているだけ、軽い作業)での数値です。実際に重い物を持ったり、速く歩き続けたりする作業では、同じバッテリーでも駆動時間はこれより短くなります。

なぜヒューマノイドは短い?

人型ロボットは、立っているだけでも関節に力が要り、電気を使い続けます。だから駆動時間は数時間というものが多め。バッテリーを増やせば長持ちしますが、重くなって余計に電力を食うジレンマがあります。モーターや減速機が多ければ多いほど、関節を支え続けるための消費電力も増えていきます。

⚠️

重さと電力のトレードオフ

「もっと長く動かしたい→電池を積む→重い→もっと電気を使う」。この綱引きが、ロボット設計の悩みどころです。特に二足歩行ロボットは、転ばないようにバランスを取り続けるだけでも常に電力を消費し続けます。

リチウムイオンが主役

軽くてたくさんためられるリチウムイオン電池が主流。安全のため、充放電を管理する回路(BMS)とセットで使います。

次の本命候補:全固体電池

バッテリーの重さと駆動時間の綱引きを根本から変えうる技術として注目されているのが全固体電池です。電解液を固体に置き換えることで、従来のリチウムイオン電池よりエネルギー密度(同じ重さでためられる電気の量)を高めやすいとされています。

🔬

400Wh/kg

Farasis Energyの全固体電池。ロボットの連続稼働8〜12時間を想定

🏗️

450Wh/kg超

CALBが開発したロボット向け全固体電池。2026年Q4から量産出荷予定

🚗

6時間

GAC「GoMate」の全固体電池搭載による稼働時間(2026年小規模量産予定)

市場調査会社TrendForceは、ヒューマノイドロボット向け全固体電池の需要が2035年に74GWh超に拡大すると予測しています1。長時間稼働や高負荷作業へのニーズが高まるほど、全固体電池が本命の選択肢になっていくと見られています。

まとめ

  • 駆動時間は「バッテリー容量(Wh)÷ 消費電力(W)」で決まり、重い作業ほど早く電池が減る
  • Figure 03(2.3kWh・最大5時間)とUnitree G1(約421Wh・約2時間)のように、用途によって容量・駆動時間の設計はまったく違う
  • カタログの駆動時間は最も電気を使わない条件の数値であることが多く、実作業ではもっと短くなる
  • バッテリーを増やすと重くなって消費も増える「重さと電力のトレードオフ」があり、全固体電池などの新技術で打開が狙われている
📚 もう少し詳しく(背景)気になる人向け・タップで開く

ロボットの稼働時間を左右するのがバッテリーです。主役のリチウムイオン電池は、軽さのわりに多くのエネルギーを蓄えられる(エネルギー密度が高い)のが強みで、スマホからロボット、EVまで広く使われています2。ロボット設計で効いてくる指標が2つあります。1つは容量(どれだけ蓄えられるか、Wh)で稼働時間に直結。

もう1つが**放電レート(Cレート)**で、「どれだけ大電流を一気に出せるか」を表します——モーターが起動時に大電流を欲しがるロボットでは、容量だけでなくこの瞬発力も重要です3。悩ましいのは、稼働時間を延ばそうと大きなバッテリーを積むと、その重さで消費も増える"堂々巡り"。

だから「軽さ・容量・出力・安全性・コスト」のバランスで選びます。安全面では、リチウム電池は過充電・過放電・高温で発火リスクがあるため、保護回路(BMS)が必須。ヒューマノイドの実用化で、この電力・重量問題は今も大きな技術課題です。

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参考資料・出典

ゆるふわポータルでは、一次情報・公的資料にもとづき、専門用語をできるだけやさしく翻訳することを心がけています。内容に誤りや古い情報がある場合は、お問い合わせからご連絡ください。

執筆:ゆるふわフィジカルAI編集部 最終更新日:2026年10月4日

Footnotes

  1. TrendForceの分析によると、ヒューマノイドロボット向け全固体電池の需要は2035年に74GWh超へ拡大する見込みで、2026年時点から数千倍規模の成長が見込まれている。 ↩

  2. リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く軽量。ただし過充電・高温で劣化・発火するため、電圧・温度を管理するBMS(バッテリー管理システム)とセットで使う。 ↩

  3. Cレートは容量に対する充放電電流の比。1Cは容量を1時間で使い切る電流。モーターの突入電流に耐えるには、高いCレートで放電できるセルが要る。 ↩

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